2007年6月3日日曜日

評判のよい理髪店

私は、もうかれこれ6年、美容院でなく理髪店に行っている。新宿区の曙橋商店街にある「ヘアサロン141」本店。高いカット技術プラス居心地の良さがあるために、理髪店といっても、老若男女、安心して来ている稀有な存在。マスターの石井氏は業界の兄的存在の人である。とりわけ近くにあったフジテレビ御用達だった。フジテレビがお台場に移転した今も、わざわざ通って来る人もいるらしい。(石井氏は団塊世代の最終歳、業界の協会の理事、資生堂の社外インストラクターはじめ業界若手教育などで大活躍中)
どれくらいカット技術がいいかというと、自宅でのシャンプー後、ドライヤーで乾かしたあとブルブルっと振るだけで、ほぼ毎日、同じ形に整う。つまり再現性抜群なのである。
そして店内の雰囲気がいい。フロントの小さな壁にはかつてパリでの国際大会で優勝した時の賞状が堂々と、そしてスタッフ手製のメッセージが可愛く張られている。 チェアーは7つ、去年改装したばかりだけれど行き過ぎないインテリアデザイン、機能性にこだわって選ばれた調度。壁には何枚かの街を描いた絵に加えて、ちょっとしたコーナーには、野の花を活けた小さな信楽焼小鉢がある。
また、スタッフもサービス精神いっぱいで、いつも笑顔ですること一つひとつが丁寧。(毎日店を閉めた後に詳細なスタッフミーティングをしているようだ。なぜなら、私のわがままが、次に行ったときには他のスタッフにも伝わっている。) サービスの心は深い。12月に行くと、スタッフは全員、トナカイの着ぐるみやサンタの衣装をきちんと着て業務にあたっているのには感激した。
そして、もうひとつ楽しいことがある。それは、2階ならではの眺め。窓際の席からは、商店街を行き交う人や犬の散歩の様子がよく見える。すぐ前は家族経営で大繁盛の花屋さん。店の中と外の区切りなく、新鮮な花や観葉植物がぎっしりで、今日はもちろん紫陽花があった。その隣はいつもひっきりなしに客が来ている靴の修理店。間口は1間ほどなので、アプローチいっぱいに引き戸でディスプレイは一切なく、ショップ名は黒板にチョークで「ソレイユ」と書かれてある。そこの主人は一見して30代。ひょろっとしてストライブの丸襟シャツにエプロン姿、ほんとうに靴が好きでたまらない、といった感じで仕事をしている。

中を見ても外を見ても、楽しさ満点の理容スポット。好きな場所では本が読みたい。私は必ず1冊持ち込んで至福の時を過ごす。アイディアが沸いたり、眠くなったり・・・。

ところで、理容室は月曜が休みで、そのためにスタッフは美術館に行く機会がほとんどない。業界が一丸となって、月一度でいいから月曜開館をと、都に申請したこともあったらしいが、実現しなかったそう。

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