2010年12月14日火曜日

70年を得た巡り逢い


先日、ネットで調べごとをしていて、ある分野のさまざまなサイト広範囲に飛び、かつ、徐々に照準を絞っていました。そして、あるサイトに、若かりし日の父に関する小さな思い出が綴られていたのを発見しました。父は結婚後、姓を母方に変えたので、昔の姓で表に出るのはきわめて稀少なことなのです。おそらく高校卒業以来、交友は途絶えていたのでしょう。原稿は2010年3月に書かれたものでした。日本のどこかで、高校生だった父を思い出してくれていた方がいたのは、何とも嬉しいことでした。もちろん、その方も、70年も前の友人の娘がその話を読むとはお考えになっていなかったと思います。
デジタルの世界は、想定範囲の情報収集には役立つものの、全体では混沌に向う一方のようです。このキリモミ状態の渦のなかから、実体としての自分に結びつく「生きた」情報が受け取れるとは、なんて素敵なことでしょうか。こんな「息づかい」のある時空の旅こそ、世代を超えて裾野広くあってほしいと、あらためて実感しました。